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トリックシリーズからスピンオフドラマ「警部補 矢部謙三」が誕生!
初・連ドラ主演を務める生瀬勝久さんに突撃インタビュー!
― まず、矢部謙三を主人公にドラマを作ると聞いたときは?
主人公になりにくいキャラクターだなと思ってたので、そういう意味では本当にビックリしましたね。どういうお話になるのかなって。やっ ぱり、中心になるっていうのは責任が大きいですから。大変だなっていう感じですね。
― 主演を努めるにあたり、気をつけていることは?
矢部謙三っていうのは、エキセントリックで、非常に輪郭のはっきりとした、ふり幅の広い役柄。それを、役柄をきちんとつくってやってい くと、なんか面白くなくなっちゃうと思うので、やっぱりトリックの中の矢部謙三のキャラクターを維持し続けること。主人公ですからね。露出が多いので、テ ンションをずっと維持していくことに気を使っています。
― そんな矢部に、生瀬さんが共感できる部分はありますか?
矢部は非常に人間的。小者だけど、自分に正直だし、普通ならそこまで言わないようなことも口にしちゃったりとか。人間らしいですよね。 僕もそういう風に生きられたらいいなと思いますけどね。
― 主演として挑むトリックワールドは?大変さは感じていますか?
一番はもちろん出番が多いこと。今までやっぱり上田、山田さんに頼りきっていましたから(笑)。いつもはワンポイントリリーフで、その 1日テンション上げてガーッとやったら終わりだったんですけど、出番が多い分、それが延々続くんですよ。このあいだ居酒屋で謎解きのシーンがあったんです けど、12時間そのシーンに費やしたっていう。昼の2時に入って終わったのが夜中の2時。ほとんど同じ席で、動かず。それはね、やっぱりテレビって大変な んだなって思いました(笑)。10分もないシーンだと思うんですけど、12時間かけて撮っている。髭がどんどん伸びていっているのがわかるかも(笑)。最 後ちょっとメイクが浮いてきましたからね。
― 矢部といえば関西弁。生瀬さんも関西出身ですが、だからこそ関西弁での演技で困ることは?
関西弁での色々な表現方法、そのセレクトに非常に困っちゃいますね。もう少し気持ちを強めて言うためには、こういう表現もあるって思う ことがたくさんあって。結局、標準語なんていうのは僕にとっては後から覚えた第2外国語だから、選べる表現が少ないんですよ。でも、ネイティブである関西 弁はいろいろと使える。それを選ぶのがね、意外に大変なんですよ。
― 役柄的に矢部は「ヅラ」という言葉に敏感。生瀬さんもつられて敏感になったりは…?
僕は別に敏感になることはないんですけど(笑)。やっていると、面白いもんで今回のドラマの撮影中も「ちょっとこれ、机ずらしてー」と か言われたら、パって反応してしまうんですよね。あぁ、俺ちゃんと役になりきってるなぁ、みたいな。矢部歴10年ですから(笑)。
― あの頭部は決して明かされないんですよね?
明かされないです!ていうか、あれはリアルですからね。生えてるものですから。自然ですから(笑)。
― 矢部の歴代の部下が「ありがとうございま~す」というシーンがありますが、生瀬さんの最近の「ありがとうございます」な出来事は?
本当にまじめな話、初回視聴率がすごく良かったこと。トリックのファンの方々、見ていただいた方々に「ありがとうございます」ですね。 これはもう、スタッフ一同含めての気持ちで。見なかった人には一言も言いたくないですけども(笑)。
― 堤監督は、生瀬さんにとってどんな人ですか?
膨大な幅広い知識。非常に色々なジャンル、多岐にわたって知識があるんですよね。だから、そこから持ってくるたとえ話とか、演出方法っ ていうのは、やっぱり説得力がある。あとは、監督の頭の中には、はっきりとしたビジョンがあって、僕らに指示された内容が理解できない時があるんです。い きなり言われるんですよ、台本にないことを。何のことかわからないままやるんですけど、それが結果的にオンエア見て「あぁー!」って繋がってくる。その辺 がすごい監督なんですよ。「トリック」に似たものも出てきていますけど、やっぱり違うんです。堤監督にあこがれる気持ちはわかるんだけど、っていう。堤監 督には沢山の知識に裏打ちされたビジョンがあって、それを役者に押し付ける力もあるし、結果も出す。すごい才能のある方ですよね。
― ずっと共演してきた仲間由紀恵さん、阿部寛さんとの関係は?
仲間さんはプライベートでも仲良くさせていただいて。彼女の人となりっていうのは本当にかわいい、おこがましいですけど妹みたい。家族 ぐるみでお付き合いさせていただいているんで(笑)。うちの妻も、彼女のことをいつも心配しています。「ちゃんとご飯食べてるんだろうか」とか(笑)。と きどき遊びに来てもらったり、僕らが遊びに行ったりも。阿部ちゃんはもう、不思議ですねー。まともに話ができない(笑)。なんか考えている事とかまったく わからないし、本当に不思議です。いつもニコニコして、マイペースなんですよ。いまだに不思議。
― 「トリック10周年」というところであらためて思うことは?
トリックは、5周年とか何回目とかの節目で再放送されるんですけど、それを見るたびに新鮮な気持ちですね。それは、やっぱり色あせない トリックワールドっていうのがあって。この10年で世の中はすごく変わったと思うんですよね、ファッションにしても、言葉にしても。でも、結局トリックっ て同じことずっとやっているんですよ。僕はずーっとヅラネタをやっていますけど、それが10年たっても色あせないトリックの世界ってすごい。だから「寅さ ん」みたいになればいいんじゃないかなと。
― このドラマの最終回の見どころは?
まだ撮っている途中なんですが台本も日々変わっています。この現場はすごいんですよ。あきらめずに、より良いものにしていこうという雰 囲気があって、台本もどんどん変わって、もっと面白くもっと深くってみんなで考えながら作っているので、どんどんお話が濃くなっていっています。5話6話 は前後編の形で放送されますが、非常に面白い話になると思います。非常にドラマチックになると思いますよ!
― 最後に矢部謙三ファンに一言お願いします!
どんどん応援してください!映画化希望とか、続編希望、そういうものを書いていただかないと。あなたたちの声が次に繋がるわけですか ら。とにかく、書き込み書き込み!ツイッターでどんどんつぶやいて。どんどん応援してください。
― 最終的には、「劇場版 矢部謙三」で。
もちろん!裏でトリックをやるくらいの勢いで。同時上映みたいな感じで(笑)